フォレストイン大崎 改修工事
□改修工事の記録
フォレストイン大崎は、バブル経済の最中
1988年に竣工した賃貸ワンルームマンションである。
この当時建てられた事業用建築物には
竣工検査を受けていないものが多い。
このフォレストイン大崎も
確認申請の際の計画にはない貸室が設置されており
しかもそのために建築基準法や東京都建築安全条例の
「避難経路」や「窓先空地」が確保されていないという違法状態であった。
事業主体のエフケイがこの建物を引き取り
今永環境計画に改修設計の依頼があった。
行政である品川区やビューローベリタス(第3者機関)とも相談をしながら
適法な状態にするための設計と工事を実施することとなった。
簡単に取り壊して新しい建物を建設するのではなく
一度建設された資産を維持し
少しでも持続可能な社会を構築するための一助となることを目標とした。
5階建ての建物の1階(足元)の構造壁を撤去し
風通しの良い開放的なピロティにするため
構造設計と施工が慎重に行われた
1階の貸室を2室撤去し
れぞれピロティ(避難通路)と屋内自転車置き場とした。
さらに共用廊下への出入口はオートロック式として
1階のピロティ(避難通路)はエントランスホールを兼ねて宅配ボックスなどの設備の充実を図った。
また、窓先空地の設置がなかったため、受水槽を撤去して加圧ポンプを新設した。
受水槽のあとにはパティオを設け、居住者が憩える場とした。
居室を撤去してピロティとし有効な避難経路を設置
既存の黄色い建築に、巾2m、奥行き22mの補色である青いチューブを差し込むイメージ
うねった壁面は、構造上必要な壁柱の形状と
避難経路で決められた2m巾を確保するために導き出された結果である